2024.11.18

J∞QUALITY FACTORY BRAND PROJECT香港レポート

 

 

日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)の運営事業の一環である「J∞QUALITY FACTORY BRAND PROJECT」(JQFBP)が、10月4日から31日まで香港有数の百貨店であるLane Crawford Canton Road店(レーンクロフォード カントンロード店)の紳士服売り場にて、初のポップアップを開催した。

 

本ポップアップには、世界に誇る商品を生産する10社のJクオリティー承認企業が参加。期間限定のイベントスペースでは、日本の匠の技を有する職人が実演するワークショップやJQFBP総合アドバイザーの栗野宏文氏とスタイリスト小沢宏氏のVIP顧客対応のレクチャー、小沢氏のディレクションによるVIP顧客へのスタイリングセッションなども実施。

 

今回は連日多くの顧客が来店し、初開催でありながらも大きく売上実績を残し幕を閉じたポップアップの様子をレポート。

 

 

 

JQFBPが香港で初のポップアップを開催

 

本ポップアップは2024年1月、イタリア・フィレンツェで開催されたPITTI UOMO(ピッティ・ウオモ)にて、JQFBPの取り組みがレーンクロフォードのバイヤーの目にとまり、同年9月に開催するレーンクロフォードとピッティ・イマージネ・ウオモのコラボイベントの一環として開催が決定した。

 

これはJ∞QUALITYファクトリーの卓越した技術が集結するプロジェクト「JQFBP」が、ビジネスとして世界に通用することを認められた証でもある。実際に出店期間中に、富裕層をはじめ多くのVIP顧客が足を運び、売上に繋がった。

 

 

 

日本の匠の技術

 

今回参加した10社は、サンライン、サンテイ、マルチョウ、丸和ニット、内田染工場、伊東メリヤス工業、第一ニットマーケティング、山陽染工、大河内メリヤス、永山産業。いずれも、レーンクロフォードのバイヤーが買い付けた「J∞QUALITY」商品群の技術が光る高品質なアイテムは来店客たちを驚かせていた。

 

 

商品はもちろんのこと、開催期間の中でも、BESPOKE WEEKENDと呼ばれる最初の週末の3日間(10月4日〜6日)に展開されたワークショップやトークセッションもとても好評を得ていた。ワークショップは全部で4つ。内田染工場の職人が板締め染めでハンカチを染める実演や、顧客が工程の一部を体験できる「染めのデモンストレーション」、サンラインによる「手縫いのデモンストレーション」、日本でも再注目されている水引を活かしたピンズを作る「水引きのピンズ手作りワークショップ」、丸和ニットの高技術バランサーキュラー生地を裁断してオリジナルコースターを作る「“Balancircular ”の カッティング体験」だ。

 

 

いずれのセッションも賑わいを見せ、体験を通して職人技が光る商品への理解が深まった点も購入への後押しとなったのだろう。中でも人気を集めたのは、3日間で180万円を売り上げたサンラインのオーダースーツをはじめ、マルチョウのステッチワークのTシャツ、ストライプジャージーシャツや内田染工場の段染めTシャツ、板締め染めTシャツなどだ。香港の気候や富裕層であるターゲットに刺さる商品が動きを見せていた。

 

 

また、現場の販売スタッフのユニホームにも工夫があった。内田染工場の段染めで白衣の一部を染めあげたものを採用し、接客にあたったのだ。この新鮮なデザインは紳士服フロアでも目を引き、来店客から好評であったことに加えて、本イベントを知らずに立ち寄った百貨店の顧客らも引き寄せ、会場全体の雰囲気が終始賑わいを見せ実績にも繋がったようだ。

 

 

 

ファッション界の重鎮が考える、JQFBPの海外進出とは

 

今回注目を集めたコンテンツのひとつが、ユナイテッドアローズ上級顧問であり、JQFBP総合アドバイザーの栗野宏文氏とスタイリスト小沢宏氏のVIP顧客対応のレクチャーだ。両者共に日本のファッション業界を牽引してきた人物であり、高い知名度を誇る。そんなレクチャーの中でも印象的であった部分を栗野氏のコメントから抜粋し紹介する。

 

「例えば、イタリアのピッティ・イマージネ・ウオモに出展しているカルーゾ、ロロ・ピアーア、ゼニアなどは元々工場あるいは生地を作っている機屋でした。途中で、もっと発展させること、数字を伸ばすことだけでなく違う知見を入れることに舵を切りました。テクノロジーやマーチャンダイジング、最近で言うと環境への配慮に力を入れることで会社としてファクトリーとして強くなっていったのです。今回ピッティ・ウオモで認められ、世界でも優れた百貨店として知られる香港のレーンクロフォードからたくさんの発注をもらったJクオリティー・ファクトリーブランド・プロジェクトに参加した各社はしばらく、この素晴らしい店で、素晴らしい顧客に商品を見て頂くことになります。」

 

 

「何をもって成功と言えるかは、人それぞれですが、日本の素晴らしい物作りをもっともっと世界に知ってもらうことが大切なことだと思っています。そして、おそらくそれは知ってもらうことだけでなく、ビジネスにつながって新たな雇用を生み出し、地域に貢献できるようになることが大切だと思います。このJクオリティー・ファクトリーブランド・プロジェクトは、様々な要素をもって前進していくと思っています。このプロジェクトを応援し続けたいと思っているし、皆さんも勇気をもって参加してもらいたいです。」

 

 

 

JQFBPが目指す未来と変わらないもの

 

Lane Crawfordでの初開催となった、J∞QUALITY FACTORY BRAND PROJECTのポップアップは、短期的なイベント施策ではなく、海外に向けた確かな一歩の機会となった。その理由として、同取り組みは今回だけではなく、2025年以降の商品発注やイベント開催についても話が進んでおり、更なる展開に大きな期待が持てるからだ。

 

そして今後も、国内の承認ファクトリーが互いに手を取り合い、世界に向けた製品を切磋琢磨し生み出していくことを目指す。しかし変わらないのは各承認ファクトリーを支える一人一人の職人たちの技術と志。日本の誇る唯一無二のモノづくりを世界に届ける旅は、まだ始まったばかりだ。

2024.10.24

香港の老舗百貨店でのイベント盛況、海外で成果上げる日本の物作り

2024.09.20

⾹港Lane Crawfordにて、2024年10⽉ポップアップ展開

⽇本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)が運営するJ∞QUALITY(ジェイクオリティー)事業は、⽇本のアパレル需要の創造と、繊維・縫製産地の維持・活性化を⽬的に活動しています。その⼀環として、⽇本が誇る「品質」を限りなく追求し、⽣産者の顔が⾒える安⼼・安全なモノづくりを世界に発信していくプロジェクトを推進しています。
「J∞QUALITY FACTORY BRAND PROJECT」(JQFBP)は、⽇本全国の承認ファクトリーが互いに⼿を取り合い、世界に向けた製品を⽣み出す横断プロジェクトです。特別アドバイザーとして(株)ユナイテッドアローズ上級顧問の栗野宏⽂⽒を招聘し、「HEUGN」を⼿掛ける⼩⼭雅⼈⽒をデザインディレクターとして起⽤しています。
統⼀された世界観のもと、J∞QUALITYファクトリーの卓越した技術を集結させたプロジェクトとして、2024年1⽉、フィレンツェで開催されたPITTI UOMO(2024年秋冬シーズン)に出展し、そこで⾹港Lane Crawfordのバイヤーの⽬にとまり、10⽉のポップアップ展開が決定しました。

 

 

今回のポップアップ展開はLane CrawfordがPITTI UOMOとコラボして展開するフェアの⼀環として実施される。
LANE CRAWFORD × PITTI IMMAGINE UOMO
●2024/9/20〜10/13
@LANE CRAWFORD IFC MALL
●2024/10/4〜10/31
@LANE CRAWFORD CANTON ROAD
◉2024/9/20〜22BESPOKE WEEKEND
@LANE CRAWFORD IFC MALL
◉2024/10/4〜6 BESPOKE WEEKEND
@LANE CRAWFORD CANTON ROAD
「J∞QUALITY FACTORY BRAND PROJECT」のポップアップはLane Crawford Canton Road店3Fで10⽉4⽇~31⽇の4週間の展開で、BESPOKE WEEKENDと呼ばれる最初の週末の3⽇間(10⽉4⽇(⾦)〜6⽇(⽇)12:00-20:00)では、売場でのワークショップやスタイリングセッション、トークセミナー等が実施される。

2024.09.06

【メディア掲載】繊研新聞に取り上げられました。